こんにちは、しげもん(@shigemon1227)です。
最近Amazonで販売されユーザーも増えてきているELEGOO MARS(マーズ)のデモ機を送っていただいたので使ってレビューしていきます。
Anycubic Photon(フォトン)と並んで3万円台で購入できる機種になっており、入門としても導入しやすい光造形タイプの3Dプリンターです。
LCDやバットなどPhotonと互換パーツも多いようです。
よって2機種の性能差はほぼ無いかと思われますが使用感も含めて見ていきます。
目次
開封
箱から取り出します。
性能と関係はありませんが横向きに入っているパッケージは珍しいです。
本体に巻かれたフィルムと梱包材関係を取り外します。
内容物はこれだけです。
本体外観・造形エリア・内容物
取り出した本体です。
本体サイズは
筐体は黒色で上にクリアレッドのケース(蓋)を取付けます。
蓋は上部に載せるだけですのでぶつかったりすると簡単にずれて外れます…。
蓋が取り外せる機種は開放的なのでバット周辺の作業スペースがしやすいです。
ただ取り外した蓋を置く場所が必要になります…。
操作関係は全てタッチパネルで行います。
バットはアルミ製になっていてFEPフィルムは取り付け済みです。
フィルムの替えは付属していません。
バットはPhotonと互換があるようで、注ぎ口が付いているので使いやすいです。
左右のネジを緩めて引き出すように取り外します。
バット直下には解像度2KのLCDが設置されています。
このLCDに立体断面図が映し出され、LCDの下にあるUVランプのシャッターになります。
LCDは消耗品ですので長期的に使用して不具合がでれば交換します。
Z軸のシャフト部分はアルミになっていて本体と一体化しています。
このあたりの剛性はしっかりしていると思われます。
本体背面にはデータ転送用のUSB端子、電源端子、電源スイッチがあります。
プラットフォーム・造形サイズ
プラットフォームは前面と側面の2軸で固定するタイプです。
プラットフォーム造形面には梨地加工程度の凹凸が掘られています。
Photonと同じような質感です。
造形サイズは115×65×150mmです。
付属品
付属品を見ていきます。
- クイックスタートガイド
- 電源ケーブル
- USBメモリ
- プラットフォーム取付け治具
- 手袋
- 計量カップ
- マスク
- ろと
- ニッパー
- スクレーパー
- 工具(ドライバー・六角)
ニッパーも付属しています。
ろとが付いているところがPhotonに似ています。
プラットフォームを斜めに取り付けるジグが付属しています。
マスクが毎回付属していますが使用したことがありません…。
セットアップ(Z=0設定・LCDパネル点灯確認)
電源を入れてセットアップをしていきます。
基本的な操作関係はPhotonなどの格安LCD機種と同じです。
Z=0設定 レベリング(プラットフォームの水平出し)
レベリングはプラットフォームとバット底面の隙間を無くし、かつ水平になるようにプラットフォームを固定する作業です。
説明書には紙を1枚挟んで設定する方法が書かれていますが、造形失敗を限りなく回避するため以下の方法で行います。
以下の記事をご覧ください。
これで解決!「何も造形されない」PhotonやMARSで脱落失敗しないZ=0 レベリングの方法
Tool→Manualをタップし、上矢印でリフトを上昇させてからプラットフォームを取付けておきます。
上部のねじをしっかりと締めます。
MARSではプラットフォームレベリング用ネジが前面と向かって右側面に付いています。
このネジを付属の六角を使って緩めます。
続いてタッチパネルから下の画像にあるアイコンをタップします。
リフトが下降してプラットフォームがバット底面に密着している状態で先程緩めたネジを仮止めします。
力いっぱい締めるのではなくプラットフォームが動かない程度に締めます。
そしてタッチパネルから戻るマークをタップ、そしてZ=0をタップします。
これで今のプラットフォームの位置が0地点として設定されました。
造形が開始されればこの位置にプラットフォームが降りるようになります。
そして、上矢印でプラットフォームを数センチ上昇させてからネジを力いっぱい締めします。
LCDに圧がかかって割れてしまうのを避けるため、プラットフォームを持ち上げてから本締めします。
これでレベリング設定は終わりです。
一度設定すれば基本的には再設定不要ですが、ネジが緩んだりして造形されなくなった場合は再度同様に設定します。
バットにレジンを入れる
今回使用するレジンはELEGOOの水洗いレジンです。
遮光ボトルに入っているグレータイプのレジンです。
よく振ってからバットに注ぎます。
※レジンを扱う際は必ず換気をして手袋を着用の上作業します。
【追記】何度か純正水洗いレジンを使用しました感想です。
安価な割にかなり扱いやすく、造形品質も悪くないかと思います。
水洗いだけで仕上げれるため試作用に1度リピートしました。
造形工程
スライス(CHITUBOX)
データのスライスは格安LCD機種でよく使われているCHITUBOXを使用します。
純正のスライサーは無く、説明書にもCHUTUBOXを使用するよう指示があります。
CHITUBOXの詳しい設定方法は以下をご覧ください。
【初心者向け】CHITUBOXの設定・使い方 / Anycubic Photon・MARS・Phrozen / 光造形用スライサー
注意すべきなのはMARSに搭載されているLCDは反転しているため設定画面で「LCD MIROR」を選択しておきます。
後に造形後の写真を載せていますが、見事に左右反転して造形されていました。
それ以外の設定はプリセットでスライスしました。
※他機種では生産ロットによってLCDが反転しない場合もあるそうです。
造形
あとはスライスしたデータをUSBに移してMARS本体に差し込みます。
プリントからUSBを選択、任意のデータをタップして造形が開始されます。
プラットフォームが下降後ラフトの造形が始まりますが1層目がフィルムから剥がれる音が鳴ればひとまずOKです。
フィルムから造形物が剥がれる音は聞こえないこともありますが、音が鳴っていれば安心です。
造形中の様子(動作音・ニオイ・UVランプの漏れ)
造形中は小型ファンが回転するため無音ではありませんが静かです(ちなみにファンは本体底にあります)。
プラットフォームリフトの昇降の動作音も鳴りますが気にならないレベルです。
造形中、レジンの嫌なニオイは全くしませんでした。
ただニオイがしないからといって換気をしなくて良いわけではないので、ずっと同じ部屋にいたりする場合は注意が必要です。
(ニオイを吸い込みすぎた場合にどうなるのかは実験していません)
本体背面には通気孔?があるのですが、ここからのUVランプ漏れは全くありませんでした。
覗き込むとUVランプの光が見えますが通常の設置でランプ漏れは気にならないかと思います。
造形終了後
造形が終わるとプラットフォームが上昇して停止します。
タッチパネルには造形終了の画面が出ており消灯はしません。
ファンも回転した状態です。
せっかくなのでプラットフォームを斜めに傾けるジグを使ってみました。
ジグを介してプラットフォームを取り付けることで斜めに設置できレジンを垂らすことができます。
最初は「これ良いじゃん!」と思ったのですが、ジグは数回使った以降はそれほど使用することもなく…
プラットフォームの造形物です。
少し反りが出てしまっています、失敗です。
再度全く同じ条件で造形してみると成功しました。
あとはプラットフォームから造形物を取り出し水洗い洗浄します。
乾燥後の様子です。リベット関係も潰れず出ていますが鮮明ではありません。
これはPhotonでも同じですので一定レベルでの造形は出ていると思われます。
サンプルをもうひとつ造形してみたらデータが反転してしまいました。
いつもどおりのサンプルですので違いは私しかわかりませんが、問題なく造形されていると思います。
ただし、Photonと同じLCDパーツを使用しているので造形の出来もPhotonと同じように思います。
露光時間もプリセット登録されている7秒で行いましたが、もう1秒ほど短縮できるかもしれません。
純正水洗いレジンも垂れた感じはなくかっちり出る印象です。
ただ、何が入っているかわかりませんので低アレルゲンレジンとしてのおすすめはできません…。
更に使ってみました。
2ヶ月ほど使った感想とまとめ
ELEGOO MARS(マーズ)を使ってみた感想です。
ファーストインプレッション込みの素人の感想ですので参考になるかはわかりませんが…。
不具合などあれば追記します。
良かった点
- 安価
- ほぼPhoton!似ているので扱いやすい
- Photonと互換(共通?)パーツが多い
こちらは書いている通りの内容です。
ほとんどPhotonと同じです…。
よってPhotonを使ったことがある方なら誰でもつかえるかと思います。
共通パーツが多いため部品の供給に不便はなさそうです。
イマイチだった点
- Photonと比べていい点がどこがいいのかわからない…
- プラットフォーム上部のねじが緩みやすい(個体差?)
Photonと似ているため扱いやすいのですが、比較して甲乙つけるのは難しそうです。
プラットフォームを傾けるジグがついているのは少し面白かったです。
また、個体差もあるかもしれませんがプラットフォームを固定するための上部のねじが緩みやすい気がします。
造形後にプラットフォームを外そうとするとねじが緩んでいることが何度もありました。
フィルムからレジンの層を引き剥がす際の抵抗は大きので緩んで当然なのかもしれませんが、他機種でそのような経験が無かったため一応挙げておきました。
かといって造形が失敗していたわけではないので不思議なのですが、毎回強くしめるように気をつけています。
【追記】MARSは脱落失敗しやすい?
1ヶ月以上使ってみて感じたことです。
※検証中ですのでメモ程度です、後に記事修正します。
第1層目が何も造形されいないということは基本的にありませんでした。
ただ、造形途中でラフトが剥がれたり、ラフトごと脱落することが数回ありました。
同環境・同造形物・同レジンで他機種も同時にテストしており、サポートの太さやラフト面積、露光時間に関わらず稀に脱落することがありました。
おそらくプラットフォーム自体にレジンが食いつきにくいようです。
上記レビュー工程で1層目が剥がれて浮いていたのも同様の理由かと思われます。
サンドペーパーなどで平らにして目を細かくするという手法があるため、試して検証してみます。
ビジネス向けではなく趣味用のマシーンになることが多い機種だと思いますので、入門機としては申し分ないかと思います。
ボディカラーが2色あり20000円台で買えることもあるためチェックするのも良さそうです。
以上、ELEGOO MARSのレビューでした!
レビュー動画
開封〜セットアップ〜造形までをまとめたレビュー動画です。
合わせてご覧ください!
ありがとうございました!
[…] 【追記あり】ELEGOO MARS(マーズ) 開封レビュー / 3Dプリンター […]
[…] 【追記あり】ELEGOO MARS(マーズ) 開封レビュー / 3Dプリンター […]