こんにちは、しげもん(@shigemon1227)です。
FLASHFORGEから新しく発売されたAdventurer3X(アドベンチャー3エックス)のデモ機を送っていただいたのでレビューしていきます。
この機種は2018年に発売され現在でも人気のAdventurer3(アドベンチャー3)のグレードアップ機となっており、日本限定モデルです。
本機はAdventurer3の基本スペックに加え、カーボンプラットフォーム搭載・別売りのステンレスフィラメントを使用することで金属フィラメントの造形が可能となっています。
今回はAdventurer3との変更点も含めレビューしていきます。
また、基本的にはAdventurer3と各部スペックは同等ですので重複する部分は割愛しています。
Adventurer3の開封レビューは以下にまとめていますのでご覧ください。
【人気】FLASHFORGE ADVENTURER3(アドベンチャー3) レビュー
目次
開封・付属品
本体カラーが黒になったことに合わせてでしょうか、外箱は黒色です。
開封すると黒い梱包材に包まれた本体が入っています。
梱包用のビニールやテープが巻きつけられていますので剥がしておきます。
こんなに黒いプチプチがあるのですね。
本体上部にかぶさっている緩衝材には付属品がまとめて収まっています。
付属品
付属品を先に取り出します。付属品はAdventurer3の時よりも多くなりました。
- クイックスタートガイド(Adventurer3と同じもの)
- 電源ケーブル
- カード形USBメモリ
- フィルター
- 軟質プラットフォーム
- 交換用0.3mmノズル(ステンレス製)
- スティックのり
- ツール(ドライバー・六角・グリス・ピンツール)
太字にしているのはAdventurer3には付属していなかったものです。
Adventurer3の交換用ノズルは別売もされていますが、元から付属しているのは嬉しいです。
本体外観(サイズ・各部仕様)
本体外観を見ていきす。
全体はAdventurer3の白成型色が黒色に変わった色違いです。
形状などもほとんど同じに見えます。
本体前面には操作用タッチパネルとデータ転送用のUSB端子があります。
本体側面には本体内蔵型のフィラメントホルダー、電源コネクタ端子と電源スイッチがあります。
後で比較しますが、フィラメントホルダーの形状はAdventurer3と異なっています。
本体左側面の電源コネクタ端子とスイッチです。
背面にはPC接続用の端子が付いています。
造形エリア(ヘッド・プラットフォーム)
Adventurer3Xの造形サイズは150×150×150mmです(Adventurer3と同じです)。
ヘッドを包むように緩衝用スポンジが収まっていますので取り外します。
無理に取り外すとヘッドがずれ故障につながる恐れがあるため、潔く電源を入れ本体側でヘッドを移動させて緩衝材を取り出します。
電源コネクタをコンセントに繋ぎスイッチを入れます。
起動音が鳴り立ち上がりますので、Tools→Setting→Language→「の」をタップして日本語設定を行います(基本操作はADVENTURE3と同じです)。
ここから設定→移動をタップして、上矢印でヘッドを上昇させ、緩衝材を取り出します。
Z軸の上矢印をタップするとヘッドが上昇します。
ヘッドが上がれば緩衝材を取り外します。
カーボンプラットフォーム
プラットフォーム部分には既にカーボンプラットフォームが取付けられており、ペラの説明書きも同封されています。
カーボンプラットフォームを取付けた状態では通常のPLAフィラメントだけでなく金属フィラメントの造形も可能になります。
造形する際は付属のスティックのりを薄く塗布してから造形します。
編み込まれたような模様ですが表面はつるつるしています。
また、付属している軟質プラットフォームに交換することも可能です。
※カーボンプラットフォームを軟質プラットフォームに交換するとノズルとプラットフォームとの間の隙間が変わるため較正作業が必要になります。
FLASHFORGE Adventurer3(アドベンチャー3)のノズル較正方法
ADVENTURER3(アドベンチャー3)と異なる点・比較
金属造形が対応しているはAdventurer3とほぼ同等ですが、一部本体形状が異なる点もあります。
①フィラメントホルダー形状
フィラメントホルダーの形状がAdventurer3と異なっているため、設置できるフィラメントリールが異なります。
ただし付属のAdventurer33X純正のフィラメントにはAdventurer3にも設置できるようにリールのアタッチメントパーツが同梱されています。
FLASHFORGE社純正フィラメントであればどちらの機種でも問題なく本体に内蔵設置することは可能かと思いますが、リール直径の異なる社外フィラメントは内蔵できません。
社外フィラメントで造形したい場合はリールホルダーなどを使用して工夫すれば引き込みは可能です。
②ヘッド
ヘッド部分も同じように見えますが冷却ノズルの形状が異なっています。
※比較しているのは初期ロットのAdventurer3です。最新ロットのAdventurer3とは冷却ノズルの形状は同じです。
ノズル先端は左右を押し込むことで取り外すことができ、付属の0.3mmノズルと交換ができます。
0.3mmノズルを使用することでより繊細なモデルを造形することができます。
ノズル交換方法に関してはこちらをご覧ください。
FLASHFORGE Adventurer3(アドベンチャー3)のノズル交換方法
③本体カラーリング
全体的には同形状の色違いですので、買い足して設置した際の統一感もあるかと思います。
兄弟です。
金属フィラメントの造形
カーボンプラットフォームを使うことで金属モデルの造形も可能になります。
造形プロセスは別売のセラミックフィラメントを使って造形した立体をFLASHFORGE社の提供する焼結サービスで仕上げる流れになります。
3Dプリントした造形サイズから12%縮小されるということです。
どれくらいの精度を保てるのかどうかは今後サービスが開始された際にレポートします。
セットアップ(水平出し・フィラメント引き込み)
続いてセットアップして造形していきます。
操作関係もAdventurer3と同じですので既に使用されている方は特に問題なく操作できると思います。
水平出し
Adventurer3Xもキャリブレーション不要です。
今回は最初から設置されているカーボンプラットフォームを使って造形します。
フィラメント引き込み
本体にフィラメントを設置し、タッチパネルから樹脂交換→押し出しをタップします。
ヘッドが加熱されればフィラメントの先端を引き込み口に差し込みます。
ヘッド温度の加熱速度もAdventurer3と同様に高速です(約50秒ほどでノズル温度が200度まで加熱されます)。
フィラメントが引き込まれノズルから押し出しされればOKです。
フィラメントを取り外したい場合は樹脂交換→樹脂交換をタップするとフィラメントが巻き戻されます。
フィルターの取付け
付属のフィルターパーツを庫内天井にあるファン部分に取付けます。
フィルターパーツ自体に磁石が付いているため天井に張り付けておきます。
スティックのりの塗布
カーボンプラットフォームを使用する際は必ずスティックのりを塗布するように説明書きがあります。
スティックのりを塗布する理由は造形物の剥がれを防止するためです。
(また造形後はプラットフォームから造形物をはずす際の剥離効果もあります)
軟質プラットフォームの使用時や他機種でもプラットフォームからの剥がれを防ぐためにスティックのりを活用されている方もいらっしゃるかと思います。
ダマが残らないように均一に塗布します。
これでセットアップ完了です!
テスト造形
テスト造形に進みます。
スライス設定 / FlashXPrint
Adventurer3Xは付属のカード形USBに専用スライサーFlashXPrintが同封されています。
操作関係はFlashPrintと同じなのですが、異なる点は0.3mmノズルのプリセット設定が登録されているところです。
今回はプリセット設定で造形します。
造形(データ転送・動作中の様子)
スライスしたデータ(.gx)をUSBメモリに移して本体に差し込みます。
本体タッチパネルからプリント→USBメモリをタップし、任意のデータを選択後に再生マークをタップすると造形が始まります。
データ転送はPCと有線接続、ネットワーク経由でも行えます。
駆動音はAdventurer3と同じく無音ではありませんが比較的静かな方です。
造形中はヘッドに搭載されたLEDが点灯しますが設定からオフにもできます。
ただし完全にLEDが消えるわけではなく、出力の影響なのか造形中にチラついて点灯することがあります。
造形完成
造形が終わりました!
ヘッドが上部に持ち上がりプラットフォームは手前出るように移動して停止しています。
Adventurerシリーズは造形後も電源が切れることはないため本体ファンの音が鳴った状態になります。
カーボンプラットフォームから造形物を取り出します。
カーボンプラットフォームは軟質プラットフォームのように湾曲はしませんので、造形物を取り外す際に少しコツがいります。
と言ってもニッパーやスクレーパーなどで引き剥がしてあげればOKです。
ABSの造形後などはプラットフォームごと流水に当てて冷却することで取り外しやすくなるようです。
造形後のカーボンプラットフォームにはのりが付いていますが水洗いで落とせます。
積層などはプリセット通りで、乱れなどもなく造形されています。
付属のグレーフィラメントの色合いが綺麗です。
やはり純正フィラメントはプリセットの温度設定と対応しているため綺麗に造形されるように感じます(当たり前だと思いますが…)。
FlashXprintではなく、FlashPrintでもスライスして造形してみました。
造形エリアも同じなのと、同じgxファイルで造形されるので問題なく造形できました。
以上でファーストインプレッション終わりです!
使ってみた感想とまとめ(追記有り)
Adventurer3を使用していたので特に問題なく使えました。
金属造形が行える機種なのですが、金属モデルとして完成させるにはFLASHFORGE社のサービスを活用して脱脂・焼結工程を行う必要があります。
よって、Adventurer3Xだけで金属モデルは作ることはできませんので、「通常のPLAフィラメントの造形だけでOK!」という方はAdventurer3で十分かと思います。
ただ、カーボンプラットフォームや0.3mmノズルが付属しているなどボリュームアップされているところもありますので、必要ならAdventurer3Xを選択するのもアリです。
いずれにせよ入門機としても人気ですし、ビジネスの1つとして活用されている方もいらっしゃる機種ですのでショールームなどで比較検討してみるのも良いかと思います。
以上、FLASHFORGE Adventurer3Xの開封レビューでした。
ご覧いただきありがとうございました!
以下は製品ページです。
FLASHFORGE ADVENTURER3
https://flashforge.co.jp/adventurer3x/
【追記(2020.4.22)】
定期的に動かしていますが特に不備はなく造形できています。
カーボンプラットフォームを中心に運用していますが、ラフト面積が大きい形状のものはフチが剥がれて浮いてしまうことがありました。
冬場などは室温が極端に下がらない場所で動かすと良いかと思います。
また、Adventurer3と同様にプラットフォームのキャリブレーション不要ですが水平が取れている訳ではないので、ラフトは必ず付けてできるだけプラットフォーム中央で造形しています。
カーボンプラットフォームはのりを塗布していますが少し塗り重ねすぎですね…。
また今度水洗いしてみます…。
○
ステンレスフィラメントのサンプルを送っていただいたので今後造形テストしてみます。
おわり
レビュー動画
以下レビュー動画です!
映像でチェックしてみたい方はご覧ください!