こんにちは、しげもん(@shigemon1227)です。
冬場になると光造形の失敗率がグンと上がります。
原因は気温が下がることでレジンが紫外線によって反応がしづらくなるためです。
また、レジンが冷えることで粘度があがり、プラットフォーム上昇して下降するまでにレジンがバット全体に行きわたりにくくなります。
レジンの反応を良くするためには造形中バット内のレジンの温度を適温にする必要があります。
3Dプリント時、レジンの硬化しやすい温度は?
3Dプリントする際の庫内(レジンタンク・バット)の温度は約20°~が適温とされています。
ただし、使用するレジンのスペックによっては30°近く温めないと反応しずらいものもあったりしますので要確認です。
特に冬場の造形では先述の通りレジンが冷えてしまい反応しづらくなり、造形失敗が続くこともあります。
こういう失敗を防ぐためにレジンを適温まで加湿する必要があります。
一部の業務用機種などでは光造形機本体にヒーターがついておりレジンの温度管理ができる機種も存在しますが、最近主流の低価格LCD機種ではそういう機能はありませんので各自で温度調整に励まないといけません…。
温度管理・レジンを適温にする方法
レジンを温めるためにはいろいろな方法があるのですが、造形直前にレジンボトルごと加湿(湯せん)する方法、そのほかにはバットに入れたレジンにヒートガンやドライヤーで熱風をあてて温める方法などが挙げられます。
(アルミ製のプラットフォームも温めておくと良いです)
レジンボトルの湯せんにはヨーグルトメーカーを使う例を見たことがあります。
ただしいずれの場合も一時的なもので、造形開始時は温まった状態で造形できるのですが、時間が経ってレジンが冷えてしまうと効果がありません。
ここで注意すべき点はレジンはただ温めればよいというわけではない、ということです。
そもそもレジンは顔料が沈殿しないように粘性があります。
レジンを温めれば温めるほど粘性が落ち、顔料が沈殿してしまいます。
また、温めることで材料が反応しやすくなり、レジン自体の寿命が短くなってしまいます。
よって、先述の通りレジンスペックに応じた適温に加湿して造形する必要があります。
あくまで湯せんやヒートガンを使う際はレジンを適温にするために使う、ということです。
また、基本的にはレジンの温度だけではなく、3Dプリンターを設置している室温の管理が必要になります。
夏場は造形成功していたのに冬場になると失敗する場合はまず室温を上げると改善することができます。
低温でも造形ができる水洗いレジン
レジンのスペックによって造形に適した温度が異なりますが、
中でも株式会社エヌエスエス様から発売されているエキマテは室温が10°台でも脱落せずに造形することができます。
冬場2月に暖房をつけていない室内でも造形が可能でした。
また、このエキマテは低アレルゲンで安全性が非常に高いレジンとなっています。
この製品は以前にレビューしていますのでこちらをご覧ください。
その他、3Dプリンターごと温めるヒートパネルなどを活用する例などがあります。
設置環境などにもよるかと思いますが、ご参考になれば幸いです。